RECRUIT BLOG リクルートブログ
2021.10.25

私が会計士の仕事を好きな理由⑥

皆さん、こんにちは!
東京事務所 入所8年目、シニアスタッフの 吉成 優恵 です。
今まで、卸売業、建設業などの上場会社の監査のスタッフ業務を経て、上場会社の監査、IPO業務、非営利法人の監査の主査業務を経験してきました。
私の今までの会計士人生を話していきたいと思います。
皆さんに「こんな人も太陽にいるんだ!」と思ってもらえたら、嬉しいです!

はじめに

「私が会計士の仕事を好きな理由」のブログでは、太陽監査法人に勤務する職員が、月ごとにバトンタッチしながら、公認会計士が従事する様々な仕事との出会いや、仕事に対する熱意・魅力についてなどのお話を通して、公認会計士の仕事が好きな理由をお話しします。

公認会計士は、業務上知り得た情報に対する守秘義務を負っており、受験生の皆さんが公認会計士から詳細な業務内容を聞くことが出来ないことや、主たる業務である会計監査には専門的な用語が存在することから、受験勉強中は公認会計士がどのような日常業務を行っているかについて中々イメージし辛いのではないかと思います。

このブログを通して、このような公認会計士の様々な魅力を皆さんへお伝えしたいと考えています!

↓↓↓これまでのブログはこちら↓↓↓

私が会計士の仕事を好きな理由②
私が会計士の仕事を好きな理由③
私が会計士の仕事を好きな理由④
私が会計士の仕事を好きな理由⑤


私が会計士の仕事を好きな理由

軽い気持ちで飛び込んだ会計士の世界

まず、私の受験生活から話していきたいと思います。
会計士とは無縁の生活を送っていた私は、大学入学初日に出会った友人が会計士を目指すと言っていたことから、「じゃあ私もやってみよ~」っと軽い気持ちで始めたのがきっかけでした。
それまで、「会計士」が一体どんな職業なのかもわからず(ファイナンシャル・プランナーとかと一緒かなと思っていました…)、そもそも「会計士」という単語も聞いたことがないくらいのレベルでした。
今思うと、この入学式の出会いがなければ、会計士になっていなかったと思います。

遠回りした受験時代

やるからには頑張ろう!と決意し勉強に励んでいたのですが、理解力が乏しい私は、なかなか短答式試験に合格できず本当に苦労しました。朝から晩まで勉強しても、試験に落ちてばかりで…試験に合格できない夢は、今でも見るくらい本当にトラウマになっています。

4回目の短答式試験に落ちた後は、勉強方法を見直しました。それまでの勉強方法は、とりあえず暗記であったため、同じ問題が同じ問われ方をすれば答えられるけど、別の角度から問われると全く歯が立たないという形でした。自分の弱点を知るまでに結構遠回りをしたと思います。

「なぜ?」を考える

新たに始めた勉強方法は、本当にシンプルで「なぜ、そうなるのか?」を丁寧に考えることでした。
「なぜ?」とまず思うことで、出題された問題を考察するきっかけになり、理解度が各段と上がりました。ホント、最初からちゃんと「なぜ?」を考えていれば良かったです。

この受験時代に身に着けた「なぜ?」と考える癖は、今の仕事でも活きていますね。そういった疑問からおかしな点を発見できたりするからです。思うと、この業界の人たちは「なぜそうなるのか?」を本当に嫌になるくらいよく考えています。

目の前の業務をこなすことに精一杯だったスタッフ時代

受験時代に「なぜ?」と考えること、理解することの大切さを学んだのに、人間、そんなに変われるものではないですよね。入所当時はとりあえず前期調書を真似して作ってみて、必死に食らいついていく感じでした。

膨大な作業、膨大な会社資料、膨大な残高確認状のコントロール(今思うと全然大した量ではないんですけどね…笑)に追われて、やっている手続の目的を考えるよりも期限内に調書を完成させることの方が重要だと思い、新人時代は、日々の監査手続が単なる作業になっていたと思います。

そんな私が、監査手続の意味を考えられるようになったのは、2年目、3年目で過年度に担当した科目をもう一度任されたときでした。
同じ科目を担当することで、一連の手続は把握しており、会社資料も見慣れている中で仕事に取り掛かれるため、監査手続の目的を考えられるようになりました。

仕事はこなれてくると楽しいもので、上司からは信頼して仕事を任せていただけるようになり、修了考査前には、検証したい事項から自分なりに最善の手続を考え、様々な現場で経験を積んだおかげでクライアントへのアドバイスをすることも多少なりにあり、仕事に対するやりがいを大いに感じていました。

しかし、本当の意味での会計士のスタートラインに立ったのは主査になってからでした。
いくら科目調書をこなせたとしても、それまでの私は監査の全体像が全く見えてなかったのです。

会計士のスタートライン – とある先輩の言葉 –

主査になりたての時に、とある先輩に「やっと会計士のスタートラインに立ちましたね」と言われた一言が今でも頭に残っています。
言われた時は、「なんでだろう?一応、監査は3年経験してきたんだけどな~」っと思っていましたが、はじめての主査業務を通じて、その言葉の意味を実感することになりました。

主査になると、担当クライアントの監査契約から最後の意見形成まで関わることになります。その中で、クライアントとやり取りをし、部下に指示を出しながら、上司に相談・報告するなど様々な業務を限られた時間内で同時にする必要があります。
スタッフの時も、「主査大変そうだな~」とは思っていたのですが、実際に主査になって、「監査ってこんなにやることがあったのか!」と身をもって体感しました。

会計士としての判断が求められる

その中でも、クライアントとの関わりは、スタッフ時代とは比べ物にならないくらい近くなりました。クライアントからの質問は、基本、直接主査に来ます。
内部統制などの質問は、自分の回答がクライアントの業務に反映されるため、その回答を必死になって調べることが本当に増えました。本当にこの回答でいいのか、この回答がベストなのか、何度も考えることもしばしばです。

会計基準や監査基準を基礎に答えられないもの、会計士の判断が問われるような質問の回答をする際は一定程度の緊張感がやはり今でも伴いますね。
もちろん、重要な案件は上司にも相談してから質問に答えることにはなるのですが、上司に相談するにしても、主査としての立場からの判断をもって相談することは必須なので、会計士としてどう考えるかの一定の答えは自分の中で持っていないといけません。

私は、基本不器用なので、この会計士としての判断を下すことは本当に慣れるまではあれこれ悩むことが多かったです。
どこまでを自分で判断していいのか、どこまで上司に聞いていいのか(この匙加減はいまだに難しいところではあります)また、この判断で大丈夫か、基準に照らし合わせて妥当かどうか、いろいろ考えることが本当に多かったです。

「会計士のスタートライン」をどこに置くかは人によって違うと思いますが、私の「会計士のスタートライン」は、上記のような経験をし監査の全体像が見えるようになった主査1年目の時ですね。

今思うと、3年間のスタッフ時代は、主査として働くための準備期間であったと思います。
監査の全体像を把握しながら主査として現場を回し、クライアントとコミュニケーションを図りつつ仕事をし、会計士としての判断を下していくことは、専門家としての第一歩だったのかなと思えるからです。

今後のキャリアについて

自分の引き出しを増やしていきたい!

主査をはじめて、会計士のスタートを切って早4年が経ちましたが、人は我武者羅にやっていると慣れるもので、主査のお作法も一通りわかるようになってきました。
それと同時に自分に足りないものも見えてくるようになり、IPO業務の主査をしていく中で、私には経験が足りないと思うようになりました。

IPO業務の主査業務は、クライアントへの質問対応に加えて、クライアントが上場会社になりえるだけの管理体制を整えるための指導業務も含まれます。
現状のクライアントの管理面の課題を洗い出し、その課題を上場までに解決するためのスケジュール管理をしたり、時にはアドバイスをしたりと、上場会社の主査とはまた違った専門性が必要になります。

IPO準備企業へアドバイスをするときに自分の判断材料になるのは、書籍や基準からというのもありますが、私は圧倒的に過去の経験に基くことが多かったです。
過去の経験上、ここはよく間違えるところだから気を付けておいた方がいいとクライアントに前もって伝えたり、また、他社ではこんな風にやっていたな、と思い出したりしながらアドバイスすることが多かったです。

IPO業務の主査をやっていくうちに、もっと会計士としての経験を積んでいれば、よりよいアドバイスを会社に提案できるのではないか、と考えるようになり、もっと自分の経験値を増やしていきたいと思うようになりました。
そして、アドバイスする力をつけたい、会計士としての付加価値を高めていきたいと思うようになりました。

アドバイザリーへの出向を希望

会計士としての付加価値を高めたいと思い、また会計士としての引き出しを増やすため、監査以外の経験もしたいと考え、短期出向制度を使ってグループ会社の太陽グラントソントン・アドバイザーズ株式会社(GTA)への出向を希望しました。
その結果、来年の1月から2年間GTAへ出向することとなりました。

太陽監査法人は、希望を出せば、GTAや税理士法人に監査法人に籍をおいたまま出向できる制度があります。自分のキャリアの幅を利かせたいと考えると、この制度は本当に魅力的だと思います!

監査とは違う仕事をするということで、またイチから学んでいくことも多いため不器用な私には大変な日々が待っていると思いますが、はじめて主査を経験した時みたいに必死にしがみついていきたいと考えています。
新しいことに挑戦するというのは、大変でもあり、それができるようになった時の達成感はやはりいいものですよね。

そういう意味で、私にとって会計士は、自分の可能性を信じてずっと挑戦を続けられる職業である!という点で、魅力的な職業だと思います!