FEAtTURE

若手を伸ばす”上司の実力”

実務に従事する現場では、監督者や責任者が若手の成長に伴走しています。
育成にあたる上司は何を重視し、育成されるスタッフは何を期待しているのか。
それぞれの立場を代表して集まった3人が胸の内を明かしました。

パートナー/人事部副部長

野田 大輔 2008年入所 / 人事部

一般事業会社での勤務を経て太陽に入所。2020年パートナー昇格。多様な業種の上場会社やIPO準備会社等の監査、品質管理部等の間接業務に従事。現在は人事部に所属し、法人における研修の企画・開発・運営責任者を務める。

シニアマネジャー

木村 勇太 2021年入所 / 東京事務所

中学生の頃、同級生と交わした何気ない会話をきっかけに会計士を志す。大手監査法人に7年間勤務した後、太陽に転職。現在は事業会社やIPO準備会社の監査を中心にチームを牽引。ユニット長等の間接業務にも関与している。

シニアスタッフ

竹内 和夏 2018年入所 / 東京事務所

大学時代、何かに努力をして結果を出すという目標を掲げ、安定や高収入も期待できる会計士の勉強を開始。太陽の規模感に惹かれて入所し、現在は事業会社の監査を中心に従事。2024年よりシェアードサービスの監督者業務にも関与。

育成の第一歩は、
「一緒に働きたい」と思ってもらうこと

野田
私は研修の企画・開発・運営責任者も兼務していす。必要なスキルやマインドセットは個々で異なるので、一人一人に応じた成長機会を提供したいと思っています。監査という業務は、往々にして作業に陥りがちです。社会に監査業務という公共財を提供するという本質を忘れないことが、会計士としての成長を早め、キャリアの道筋も見やすくなると考えています。その際に重要な役割を担うのが、現場で育成にあたるマネジャーや主査です。太陽では、比較的早い時期からエンゲージメント内での責任を持つ立場となり、各スタッフに対しての指示・指導を行う機会を持ちますが、正しいことを一方的に説いても伝わるものではありません。木村さんは、メンバーを育成する上で心掛けていることはありますか?
木村
私が常に意識しているのは、コミュニケーションをとることです。育成というのは、何かを指示することではないと考えています。こういう会計士に育てたいと思っていても、そうなりたくないとメンバーに思われたら関係性を築くことはできません。一番大事なことは、「この人と一緒に働きたい」と思ってもらうことであり、そう思ってもらうには、やはりコミュニケーションがベースになると思います。
竹内
そのお話、とても共感できます。私は、上司の背中を見ながら、良い部分を自分にどんどん取り入れていきたいタイプです。好感を持てる人柄で、尊敬できる方なら真似をしたくなりますし、指導された内容はずっと覚えていたりします。
野田
竹内さんは現在、監督者業務も兼務されていますよね。意識していることはありますか?
竹内
木村さんの考えに通じることですが、私のモットーはメンバーに「気持ちよく仕事をしてもらうこと」です。そのことが本人に主体性やモチベーションに生み、さらに後輩にも伝播していくと思っています。

理由があるから働き、
人生と真摯に向き合う若者世代

竹内
木村さんは、コミュニケーションの取り方や内容を、個々のメンバーに合わせて変えていますか?
木村
もちろん変えています。接点となる話題もその一つです。おしゃべりが好きな人もいれば苦手な人もいますが、誰にでも話したくなる話題はあると思います。そこで、どんな話題でもコミュニケーションがとれるように、日頃からインプットするようにしています。業務に関連することから、趣味等に関することまで様々です。メンバーから出た話題についていけない時は、帰宅途中にモバイルで調べる等、次の機会に備えています。
竹内
そこまでされているとは正直驚きました。
野田
20代の若手会計士の皆さんは、いわゆるZ世代にあたりますが、私自身もコミュニケーションをとる中で考え方や価値観の違いを感じることがあります。竹内さんはいかがですか?
竹内
世代間ギャップは、上司に対してだけではなく、メンバーに対しても感じる場面はあります。監督者業務に臨む際は、メンバーに無理な残業をさせたくないものの、協力してもらわないと終わらない業務があることも事実です。どのように人や組織をマネジメントするべきか、今は試行錯誤しているところです。
木村
「残業がないように効率的に働きたい」「それほど昇進したいと思っていない」といった人は、太陽で働く若手会計士にも少なくないと思います。仕事を依頼する際は、「今後の人生にどんなメリットがあるのか」という説明もできるように意識しています。ただし、よくよく考えてみれば、理由がなければ働かないというのは当然のことです。能力という点では、自分たちの世代よりも明らかに優秀だと感じます。自分に正直であり、人生と真摯に向き合っている。それが若手の皆さんの魅力だと受け止めています。
野田
竹内さんが望むのは、どんな上司ですか?
竹内
私の場合は、気づいたことがあれば積極的に口出しをして育ててくださる方です。その点では非常に恵まれていて、上司に対して不満を感じたことはほとんどありません。
野田
逆に、一緒に働きたくない上司はどんなタイプですか?
竹内
端的にいうと、無関心なタイプです。見守りながら、悪い方向に進んでしまった時にカバーしてくださればOKなのですが、完全に放置されるのはNGです。成長できる職場環境とは思えません。

「プロセス」と「信頼」の掛け算で決まる
リーダーシップの真価

野田
リーダーシップの取り方は多様でいいと思いますが、育成のベースとして私が大事だと思うのは「プロセス」と「信頼」です。2つの掛け算で成長が決まると考えており、どちらか一方がゼロに近い状態も避けなければなりません。パートナーとして監査チームを率いる際に私が気をつけているのは、常にメンバーを見守り、重要な局面で本人の心に刺さるアドバイスができるように伴走することです。
木村
私は会計士のキャリアとしてパートナーを目指していますが、監査報告書にサインをする最高責任者の仕事ぶりを、普段から学べることは大きなメリットだと感じています。大手監査法人から太陽に転職して一番驚いたことは、パートナーとスタッフの距離の近さでした。チャットでコミュニケーションをとる機会も増えてきましたが、チャットグループの中にパートナーが加わり、育成まで担っていることは監査法人の中では稀だと思います。
竹内
お二人に質問ですが、部下を育成することは好きですか?
木村
好きです。自分が苦労して志した会計士という職業を、受け継いでくれる人たちですから。親になった時、育った子供から同じ仕事に就きたいと言われたら、ものすごく嬉しいと思います。それと同じ感覚で、部下がどんどん成長していく姿を、目の当たりにできることほど喜ばしいことはありません。バックグラウントも一人一人違うので、育成で苦戦することがあっても当然だと思っています。
野田
私も、育成が好きだからこそ研修の責任者を引き受け、仕事のモチベーションになっています。付け加えておきたいのは、上司と部下の関係性についてです。太陽で働くほとんどの職員は、上下関係ではなく、役割の違いと捉えていると思います。スタッフのトレーニングを担うのが木村さんであり、より良い研修プログラムを考えることが私の役割ということです。太陽は、人に関心を持ち、人の成長が自分の喜びと語る人が多い監査法人ではあることは間違いありません。法人としても、職員の成長を第一に考え、「人財育成法人」を目指して様々な取り組みを推進しています。入所を検討される方には、ぜひ私たちの育成力に期待してほしいと思います。