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リクルートブログ
2026.09.04

グループ連携③ 監査法人にいながらのアドバイザリー業務

皆さん、こんにちは!
太陽監査法人 シニアマネジャー 中村 幸信 です。

試験勉強を全力で走り抜いてきた受験生の皆さん、本当にお疲れ様でした!
合格発表を控えている方、次の目標に向けて走り出している方、それぞれ思いがあると思いますが、まずはここまで努力を重ねてきたご自身をしっかりねぎらってあげてくださいね。

私は10年間、監査法人に籍を置きながら、現在は太陽グラントソントングループの中にある、太陽グラントソントン・アドバイザーズ会社(GTA)のM&Aチームに出向しています。

今回のブログでは、監査もアドバイザリーも気になる皆さんにとって、今後のキャリアを考えるヒントになるよう、以下のテーマについてお話していきいと思います。


離島からのスタートと、太陽監査法人を選んだ理由

出身は、鹿児島県の離島・徳之島です。
高校生の頃、たまたまテレビで見かけたコンサルタントの方が凄くカッコよくて、
「公認会計士の資格を持っていると有利だよ」と発言していたのを聞いたことが、すべての始まりでした。
つまり、私の原点は「アドバイザリーやコンサルティングをやりたい」という強い想いだったのです。

2011年に法政大学経営学部に入学し、2012年2月から本格的に受験勉強をスタート。大学4年時の2014年11月に合格し、2015年1月から太陽監査法人に入所しました。
数ある法人の中、当時の決め手は『規模感と自由度のバランス(大手と中小のいいとこ取り)』でした。

  • 大手には大手ならではの多様な経験の機会がある一方、組織が大きいからこそ、希望する業務に辿り着くまでに時間がかかる場合もあるかもしれない。
  • 一方で小規模な法人は、距離の近さや柔軟さがあるが、経験できるサービスラインの幅や機会が法人によって大きく異なるかもしれない。

この点、太陽は一定の規模がありつつ、早いうちから幅広い業務に挑戦できる機会があると感じました。

出向に至った経緯

最初の出向希望と、監査チームメンバーへの想い

入所後は「まず基礎の監査を徹底して身に着ける」と決め、全力で監査業務に打ち込みました。
やがてアドバイザリー部門が独立し、現在のGTAとなりました。2019年頃から、このGTAへの出向制度が確立されたタイミングで、一度出向を希望してみました。

しかし当時、同じグループから同期や先輩数名から出向希望が重なっていました。そこで私は、チーム全体の体制やタイミングも踏まえて、出向の時期を少しズラすことにしました。ちょうど信頼するパートナーから大規模クライアントの主査を任せてもらったこともあり、まずはここで監査人としての成果を出してから「1〜2年後に再度手を挙げよう」と、監査業務に集中することに切り替えました。

『何となくの憧れ』から『絶対に必要なスキル』へ

主査として担当した案件は、改善点が多く業績も低迷期にあり、監査現場としては非常にハードでした。しかし、その案件をやり遂げ、他のクライアント業務や業務推進室(効率化支援)、リクルート活動など多角的な仕事に関わるうちに、こう考えるようになっていきました。

「監査法人にいながら色んな経験ができているし、別にGTAに出向しなくてもいいかもしれないな」

そう満足していたところ、シニアマネジャーになってから大きな転機が訪れます。

担当した新規クライアントで「会社を買収する(M&A)」という話が持ち上がりました。監査人として、GTAの専門家が作成した財務デューデリジェンス(財務DD)や株価評価(バリュエーション)レポートの適切性を検証する手続を行ったときのことです。審査担当のパートナーから、次々と鋭い指摘が入りました。

「この論点はどう検証したの?」
「こういうリスクに対する手続はやったの?」

正直、回答に詰まってしまう部分がありました。研修や、これまでも財務DDのレポートは見たことが何回かあったため、何となく「財務DDを知っていたつもり」になっていましたが、その本質やポイントを深く理解しているかを問われると、全く不十分だったのです。

そのとき、強く実感したのです。
「なんとなく横文字のアドバイザリーってカッコいい」というフワッとした憧れではなく、これからの時代、クライアントに真の価値を提供できる監査人になるためには、M&Aアドバイザリーの実務知見が絶対に必要なんだと。

日本の少子高齢化が進み、事業承継や業界再編によるM&Aは今後ますます増加すると思います。「監査の現場でそんな時、経営者のM&A判断に本当の意味で寄り添えるプロになりたい」——そう心から感じた私は、改めて出向の意思を伝えました。

監査業界全体で人材ニーズが高く各法人が人材確保に力を入れている中、私の挑戦を「あなたの成長が巡り巡って監査法人のためになる」と快く送り出してくれたユニット長やグループ長の温かさには、感謝してもしきれません。

なぜ独立や転職ではなく『太陽の出向制度』なのか?

皆さんの中には、
「アドバイザリーをやるなら最初からそういう会社に行くか、独立した方が早いのでは?」と思う人がいるかもしれません。

ですが、未経験の領域にいきなり独立・転職し飛び込むには、経済的な懸念(最初は給与が下がるなど)や、心理的な不安(自己責任で未経験の現場に飛び込むこと)という大きなリスクが伴います。また、一般的に監査を続けながら本格的なアドバイザリーに一定期間集中して関与するには、配属やタイミングに左右される面があります。

ここで生きてくるのが、太陽の強みです!
太陽には、監査法人に軸足を置いたままGTAに短期出向できる制度があります。「監査か、アドバイザリーか」の二者択一にしないキャリアを描きやすい環境です。

太陽なら、監査というプロとしての軸足(ピボット)を残したまま、新しい領域に挑戦できます。 社会が変化し続ける中で新しい経験を積むことは極めて大切です。その挑戦を、一定の安心感やセーフティネットのある環境下で実現できることは、個人のキャリア形成において大きな意味があると感じています。

そもそも、アドバイザリー業務とは何なのか

まず、『アドバイザリー』と『コンサルティング』という単語がありますが、それぞれ監査と違って明確な定義がなく、あまりにもプレイヤーが多いこと、サービス内容も非常に広範囲にわたることから、簡単には説明できません。

ですので、今回説明するアドバイザリー業務とは、
“GTAにおける”アドバイザリー業務となりますので、ご承知おきください。

アドバイザリー業務は、監査業務と違って会計士の独占業務ではないため、会計士以外の人も多く在籍しています。そのため、一見『会計士っぽくない業務』も含まれています。

私が言っていたM&Aアドバイザリーは、まさに画像の一番上にあるサービスラインであり、文字通りM&A関係のサービスを行うものです。

ある会社(クライアント)が別の会社(買収対象会社)を「M&Aしたい」と思ったときに、

  1. 買収対象会社の財務会計上のリスクはどんなところにあるか?
  2. いくらで買うのが適正か?
  3. 買い手は無形資産を会計上いくらで認識する必要があるのか?

などを調査し、クライアントへ報告する業務です。財務DDは、この業務の一つとなります。

現場で知った『財務DD』のリアルと面白さ

こうして2024年7月、監査の仕事から離れ、1~2年間どっぷりとアドバイザリー業務に関与できる短期出向制度を利用し、GTAのM&Aチームへ出向しました。現在は財務DDに全力で取り組んでいますが、実際業務に浸かってみて、監査との違いやアドバイザリーならではの面白さを日々実感しています!

1〜2ヶ月の超短期決戦と『伝わるレポート』の難しさ

監査の場合、長期間でクライアントに対する理解を深めていく側面があります。
一方、財務DDは1〜2ヶ月という非常に短いスパンでクライアントと関わり、超スピードでビジネスを理解しなければなりません。

さらに決定的な違いは『説明する相手』です。
監査は、会計・監査に一定の理解ある方々(監査役、CFO、経理部など)に対して結果を報告することが多いのですが、財務DDは、これから会社を買収・売却しようとする経営者など、財務の知識が十分な方とは限りません。

そのため、財務DDは監査以上に「いかに分かりやすくまとめるか」「求めている情報をどのように見やすく整理して伝えるか」を深く追求するプロセスが必要でした。

手続を変える柔軟性とプロジェクトマネジメント

監査では、監査計画を一度立案した後であっても、クライアントの状況などに応じて、リスク評価を見直し適宜修正していく柔軟性が求められます。
財務DDでも、提案書で計画を立てていても、実際にクライアントから提出される資料の状況に応じて、柔軟に手続を変更しなければならない局面が多々ありました。

この1年間で、私はプロジェクトマネジャー(PM)的な立場として一部仕事を任せてもらえるようになりました。単なる分析・レポート作成だけではなく「いかにクライアントと調整し、どこまで手続を踏むのか」という全体の舵取り業務も行っています。

このリアルタイムな調整や手続の柔軟さこそ、財務DDの難しさであり、たまらない面白さです!

出向して気づいた『監査』への思い

「やっぱり監査が好きだ」という原点回帰

PMとして財務DDの経験を多く積んでいく中で、可能であれば他のアドバイザリー業務にも幅を広げていきたいと考えていますが、
現在の私は「監査法人に戻ること」を大前提として考えています。

元々、短期出向制度がそういう目的であるということもあるのですが、財務DDの知見を経て、改めて気づかされたことがあります。それは、

「自分はやっぱり、監査という仕事が好きなんだ」

ということです。
財務DDも面白いのですが、私はこの知見を活かし、監査法人に戻ってクライアントに還元したいのです。

これまでは監査の現場で「会社が買収をするとき、具体的に何をやらなければならないか」を深く語りきれない部分がありましたが、今は財務DDを実際に経験した立場として、買収時の具体的な実務やリスクを監査現場で直接活かし、より価値のあるアドバイスができると確信しています。

『監査×アドバイザリー』で目指す『ビジネスパートナー』

太陽監査法人は、業種ごとに部門を分けていない『部門レス』の組織体制をとっています。そのため、一人ひとりが同時に多様な業務を実施できる環境があります。
最初から「監査か、コンサルか」の二者択一に悩む必要はありません。大事なのは「何の仕事をするか」ではなく、人から信頼され、尊敬され、付加価値を与えられる『ビジネスパートナー』になることです。

出向した後は、私のように監査法人に戻る人もいる一方、完全にGTAに所属してアドバイザリー業務を専門とする、いわゆる『転籍』を選ぶ人もいます。どのような選択肢を選んだとしても、太陽には、その挑戦を尊重し、応援する風土があります。

そして何より、たとえ監査法人から離れる選択をしたとしても「つながりを持ち続けて、一緒に仕事していきたい」「どのような形でも関わりを持っていたい」と思える関係性が築けること。それこそが、太陽監査法人の最大の強みだと思っています。


さいごに

自身のキャリアを積み重ねていく中で、やりたいことはどんどん変わっていきます。そのときに、この短期出向制度は非常に魅力的な制度に映るハズです。

ぜひ一度、太陽のリクルートイベントに足を運んでみてはいかがでしょうか?
私自身もリクルーターの一人として、皆さんとお会いできることを心から楽しみにしております!