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2024.10.31

医療法人の監査の世界を、一緒に見てみませんか?

皆さん、こんにちは!
太陽監査法人 シニアスタッフ 齋野 湧 です。

私は2018年に会計士試験に合格し、学生非常勤として太陽でキャリアをスタートさせました。現在は、上場企業の監査業務はもちろんのこと、医療法人の監査・IPO業務などにも関与しています。


医療法人の監査には、太陽に入社した1年目から関与しており、現在は医療法人監査の主査をしています!

さて、今回のブログでは、
私から “医療法人監査の世界” を、皆さんに紹介したいと思います。


そもそも『医療法人』とは何か?


『医療法人』とは何か?と問われても、
皆さんの多くは、「んっ?病院じゃないの?」と思われるのではないでしょうか。

この答えは、あながち正解!
とは言い切れません。どういうことでしょうか?


まず、一口に『病院』といっても、
その開設主体には様々な類型が存在します。

下表は、主な『病院』の開設主体と『病院』名を一覧化したものです。


つまり、『病院』=『医療法人』なのではなく、
この世の中に多数存在する『病院』のうち、その主な開設主体の一つが『医療法人』なのです。


ちなみに、
『医療法人』化している『病院』は、全国で3分の2以上(70%近く)を占めており、一番多い開設主体となっています。


ここまで読み進めていただいた皆さんの中には、やたらと『病院』という単語に『』(カギカッコ)がついているな・・・と思われたかもしれません。そんなあなた、とても鋭いです。

実は、『医療法人』を名乗る医療機関は『病院』だけではありません!
これを伝えたくて、カギカッコをたくさん使いました。

医療法(第39条)では、『医療法人』を、
病院、医師や歯科医師が常勤する診療所(以下、略)の開設、所有を目的とする法人” と、定義しています。
つまり、『医療法人』には、『病院』『診療所』が含まれるワケですね。

それでは、
『病院』『診療所』の違いは、何でしょうか?


この答えは、下表のとおりです。


『診療所』のうち、『医療法人』化しているものは全国の3分の1以上(46%近く)を占めており、最も多い開設主体です。また、病床数についても『医療法人』が最も多く、『病院』は56%超、『診療所』は何と79%超を占めているのです。

つまり、
『医療法人』とは、医療機関である『病院』と『診療所』の根幹を成しており、我が国の医療を最も支えている開設主体法人である、と言えます。

医療法人の監査について


『医療法人』とは何か?については、十分に理解できたのではないかと思います。

次に、
「なぜ医療法人が、公認会計士(監査法人)による監査の対象となっているのか?」
これについて、説明していきます。

まず、制度面からお話しすると、
株式会社(会社法)の場合と同様に、全ての医療法人に公認会計士(監査法人)による会計監査が義務付けられているワケではありません。

会社法では、資本金5億円以上、または負債総額200億円以上の大会社の場合に、会計監査人の設置が義務付けられていますよね。
医療法人の場合は、医療法及び同施行規則において、負債50億円以上、または事業収益70億円以上の医療法人等が会計監査の対象とされています。また、3月決算の医療法人は、19年3月期から会計監査が導入されています。(会計監査制度が適用されてから、まだ日が浅いのです!)

次に、
医療法人に会計監査が導入された目的についてですが、これは『社会からの要請の高まり』に他ありません。

会計監査を通じて、医療法人の計算書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することが、まず求められています。
そして、その結果として医療法人のガバナンスの強化・透明性の向上といった経営力の強化に資する、という非常に大きな期待を背負っているのです。


「そんな大きな期待に応えていけるのか?」
と、躊躇してしまったアナタ。安心してください!

医療法人の監査は、一般企業の監査と大きく異なるモノではありません。

例えば、現金管理が行われていれば現金実査の手続をしますし、預金残高・借入金などについては残高確認の手続、在庫については棚卸立会の手続、さらには固定資産の実査も行ったりします。これらは全て、一般企業の監査と何ら変わりありません。

ただ、在庫には『医薬品』や『診療材料』が計上されますので、薬や注射針・カテーテルなどの診療材料を数える現場に立ち会うことになります。また、手術室等で大型の医療機器を実査する、なんてこともあります。
いずれも、皆さんの人生において貴重な経験となるのではないでしょうか。


会計監査のプロとして、
しっかりと監査業務を遂行する。当たり前のことを、当たり前に実行する。

これこそが、社会からの要請に応えていくことに他ならない、と私は思っています。

太陽で医療法人の監査に携わることの意義


ここで、皆さんに質問です。
もし、皆さんが医療法人の経理業務をしていたとして、決算処理上の悩ましい論点に直面したときに、相談したいと思えるのは、どのような公認会計士でしょうか?


【A】
その論点の “答え” を教えてくれる公認会計士
【B】
“答え” はもちろんのこと、
「次回以降、同じことが生じないようにするためには?」という目線で “提案” もしてくれる公認会計士


皆さん、やっぱり【B】の公認会計士なのではないでしょうか?
この『提案力』こそが、公認会計士としての『付加価値』であると、私は考えています。

そして、
『付加価値』を生み出すためには『経験』がキーポイントになると思います。

皆さんの中には、経験値を上げるためには “年数” が必要と考える方がいるかもしれません。
ですが、年数を短縮できる方法はあるんです!

私は、
「様々な業務へ同時に携わっていくことで、自ずと視野が広がり、経験値を高めてこられた」と実感しています。
このブログを読んでくださっている皆さんは、太陽が業種ごとの部門制を敷いていないこと、だからこそ業務の同時実施が可能(というか、皆さん同時実施してください!笑)であることは、すでに理解しているのではないかと思います。

その同時実施の対象に、ぜひ医療法人の監査を含めてみてください!
そうすることで、皆さんの経験値はどんどん高まっていくと思いますし、その経験により、一般の事業会社に対する監査しか経験がない会計士とは一風変わった判断軸を持った味のある会計士、つまりは公共性を考慮した監査上の判断ができる会計士になれると思います。


太陽では、幅広く活躍できるフィールドが本当に多いので、大いなる夢や野望を持って、入所してきてください!
皆さんと一緒に仕事をできる日を、楽しみにしています!!!