皆さん、こんにちは!
太陽監査法人 シニアマネジャーの 本田 と申します。
自己紹介を兼ねて、私の入所してからのキャリアを簡単に図にすると、以下のようになります。
※ GTAとは、太陽グラントソントングループの中にある、太陽グラントソントン・アドバイザーズ株式会社の略称です。
ざっくりキャリアを箇条書きにすると、以下になります。
- スタッフ業務として、複数社・複数業種に関与し、監査の基本を学んできました。(本当に色々経験しました。パブリック・ファンド・メーカー・商社、もちろんIPOも)
- 初めてのIA業務(主査業務)はスタッフ3年目の時に、上場ファンドを任せてもらえました。
- その他にもIA業務を、上場企業とIPO業務を中心に丸3年ほど任せてもらえ、マネジメントのいろはを学んできました。
- さらにスタッフの時から度々、監査以外の業務として、財務デューデリジェンス等のM&Aアドバイザリー業務をお手伝いしていました。
- 2020年からはGTAに2年間出向し、アドバイザリー業務の経験をより深く積みました。
- 2022年7月から監査法人に戻り、上場企業やIPO準備企業を中心に、GTAで得た知見を監査に活かしています。
私がアドバイザリー業務に関与するまで
皆さんが入所するのは『太陽有限責任監査法人』になりますので、業務の軸は『監査業務』になります。
しかし希望により、アドバイザリー業務を行っているGTAや税理士法人、会計アウトソーシング会社の業務に関与したり、出向したりすることが可能となります。
私も就活をしていた頃から「なんかコンサルってかっこいい!」というフワッとした思いから、アドバイザリー業務に関与したいと思っていました。
太陽の場合、アドバイザリー業務を行っているGTAは、組織体としては監査法人と異なるのですが、「アドバイザリーに興味がある人に業務体験希望者を募るチャットルーム」があるので、監査法人にいながら若手からでもアドバイザリー業務に関与できます。
私もそんな感じで、GTAの仕事を2年目から手伝わせてもらうことになりました。
本当にスッと仕事が来たのでビックリしました。
なお現状、太陽グループとしても、監査以外の業務に関与することで会計士としての幅を広げるため、全社的にグループ内の人事交流に取り組んでいます。
GTAについては、以下のような関与の仕方が可能です!
アドバイザリー業務とは?
まず、『アドバイザリー』と『コンサルティング』という単語がありますが、違いを分かっていない方が多いのではないでしょうか?
ご安心ください、私も未だに違いをよく分かっていません。
アドバイザリーやコンサルティングは、監査と違って明確な定義がなく、あまりにもプレイヤーが多く、サービス内容も非常に広範囲にわたるため、簡単には説明できません。
ですので、
今回ブログで説明するアドバイザリー業務とは、
“GTAにおける”アドバイザリー業務となりますので、そこをご承知おきください。
以下、GTAにおけるアドバイザリー業務について、ザックリ説明します。
アドバイザリー業務は、監査業務と違って会計士の独占業務ではないため、会計士以外の人も多く在籍しています。
今回はこれらの業務の中でも、会計士との親和性が高い4つの業務について簡単に説明します。
Transaction Service
端的に説明しますと、M&A関係のサービスを行うのが、このトランザクションサービスです。
トランザクションサービスに含まれるのは、主に以下の3つです。
- 財務DD
- 株式価値評価(バリュエーション)
- 無形資産評価(PPA)
これは、ある会社(クライアント)が、
別の会社(買収対象会社)を「M&Aしたい」と思った時に、
1.買収対象会社の財務会計上のリスクはどんなところにあるか?
2.いくらで買うのが適正か?
3.買収するにあたって買い手は無形資産を会計上いくらで認識する必要があるのか?
などを調査して、クライアントへ報告する業務です。
難しいですね。今は全てを理解しなくてOKです。
「はぁ~、そんな仕事をしているんですね」というイメージをもってもらえれば100点です。
Accounting Service
こちらは会計面での支援なので、会計士試験を経た皆様にとっては、なじみ深いかもしれません。
例えば、原価計算体制の構築支援、新基準の対応支援、IFRS(国際会計基準)の導入/IFRSでの財務諸表作成を支援する等といったお仕事になります。
具体的に何をするのか?という説明は、長くなりますので省略します。
ぜひ気になった方は、太陽のイベントにご応募ください。たっぷりお話します!
IPO Consulting
⇩⇩IPO業務についての詳細はコチラ⇩⇩
太陽の強み『IPO業務』の魅力とは?
GTAでは、主に「これからIPOしたい!」という会社、よく言う“ベンチャー企業”の支援を多く行っています。
監査法人でも、そのような業務を行ってはいるのですが、更にアーリーステージの会社を対象とし、監査フェーズへスムーズに移行できるようにするための支援をしています。
【監査フェーズ以前をGTA、監査フェーズを監査法人】という棲み分けのイメージを持ってもらえたら、完璧です。
Business Risk Service & Forensics
ビジネスリスクサービスは、内部統制の構築支援や内部監査の支援、さらに大企業の経理業務のサポートなども行っています。
数十人から百人単位で監査を行っているような超大企業に対して、私も含めGTAの数名でサポートをしています。
なかなか監査では関与する機会に恵まれないであろう規模の会社でも、「太陽のアドバイザリー業務であれば関与できる」ということは、嬉しい誤算でした。
フォレンジックは『不正調査』と呼ばれます。
大まかには、会計不正が発生したときに、その内容や原因を調査し、報告書を作成する仕事です。
以上が、GTAの提供する、会計士と親和性が高いアドバイザリー業務の説明となります。
アドバイザリー業務という『手段』
さて、私は当初、
「なんかよく分からんけど、アドバイザリーって響きがカッコいいし、監査と違ってクライアントに寄り添うイメージがあって、感謝されそうだからやってみたい」
と思っていました。
しかし太陽監査法人に入り、
監査を経験し、アドバイザリーを体験し、その考えは間違いであることにすぐに気が付きました。
(いや、まあ確かに、なんとなく日本語の監査より、横文字のアドバイザリーやコンサルという単語がカッコよく感じるのは、今も分かりますが・・・)
よく考えれば当たり前のことでして、
監査でもクライアントに感謝されるような話ができる人もいれば、アドバイザリーでも何の為にもならない話しかできない人がいる、ということに気が付きました。
結局のところ、
大事なのは「何の仕事をやるのか」ではなく、「どんな人になるのか」なのだと思っています。
アドバイザリー業務に邁進するのも、監査法人のパートナーを目指すのも、企業のCFOになるのも、皆さんの好きな仕事を最終的に選択すればいいと思います。
しかし、その仕事で活躍するには、
人から信頼され、尊敬され、付加価値を与えられる『ビジネスパートナー』になることが必要です。
そのビジネスパートナーになるためには、スキルとマインドの両面からの素養を持っていなければならず、スキルは技術的側面と人的側面の両方を兼ね備えていないといけないと思います。
キャリアの構築段階において、
「何の仕事をするか?」というのは、テクニカルスキルの1つである“豊富な知見”をどの領域に置くか?というだけの話だと、私は考えています。
最初は何の知識もないけど、好き嫌いせずに色んなことをやってみて、一番面白かったもの、心躍ったもの、成り行き上で行きついたものなどに、全力を注げばいいのではないでしょうか?
私も最初は、とりあえず任された仕事について、上場企業もIPOもパブリックもファンドも、好き嫌いせずにとりあえず全力を注ぎ、機会があれば積極的に手を挙げていた結果、「アドバイザリーをしっかりやると自分のためになりそうだな」と思って、その領域に身を置いていただけです。
ちなみに、監査ほどクライアントに不可欠かつ、長期間にわたりマネジメントに影響を与え、しかも世に羽ばたいていく公認会計士の卵を育成できる面白い仕事は中々ないと思っていますので、私はGTAへの短期出向を終えた今、再び監査業務に従事しています。
出向以前よりもアドバイザリー業務の豊富な知見を持っていますので、よりクライアントに価値を発揮できる監査ができていることを日々実感します。
監査とアドバイザリーの親和性
最後に、監査とアドバイザリーの親和性について説明したいと思います。
なお、ここでいうアドバイザリーとは、前述のとおり“GTAにおける”アドバイザリー業務です。
言い換えれば、会計につながるアドバイザリー業務だと、ご理解ください。
監査とアドバイザリーの親和性は、極めて高いです。例えば・・・
- 財務DD・バリュエーション・PPAなどの成果物(レポート)は、結局のところ最終的に買い手側で監査意見が出なければ、意味がありません。よって、「アドバイザリー業務で提供するレポートが、最終的に監査上どういう見られ方をするのか?」を知っているかどうかで、当然ながら成果物の質につながります。
- 監査側においても、バリュエーションやPPAの知識がないと、減損を検討するうえで必要な使用価値の見積りに関する議論の場や、クライアントがM&Aを実施したときなどに、クライアントと深度あるお話を進めることができません。
- IPOを目指す企業は、上場するために監査を受けなければなりません。そのため、IPOコンサルティング業務を提供するときは、「監査上いつまでに何が必要か?」という視点を有していなければ、アドバイザリー業務で出せる価値は限られます。
- IPOコンサルティング業務においては、いろんなクライアントから多種多様な相談を立て続けに受けますし、会社ごとの需要も異なります。クライアントコミュニケーションの千本ノックをしているような感じです。
そこで培った瞬発力、調べたことで身についた知識は、監査でマネジメントと対峙するとき、非常に力を発揮します。
上記はあくまで一例で、双方のメリットを挙げればキリがありません。
「監査法人にいながら、監査とアドバイザリー双方の旨味をこれだけ享受できる監査法人って、太陽以外にないのではないか?」と、私は心から思っています。
また、キャリアの初期段階において、本人の希望次第でこれだけ色んな仕事をつまみ食いできる組織も、他にないのではないでしょうか?
ぜひ、太陽に入所して皆さんの道を切り開いていき、将来は何らかの『ビジネスパートナー』になってください。
皆さんの入所を、心よりお待ちしています!!!