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2022.09.26

駐在体験記② 二度もアメリカへ駐在した、とある国際会計人のお話

皆さん、こんにちは!
太陽グラントソントン・アドバイザーズ(GTA)シニアマネジャー 野本 寛志 です。

2005年に太陽監査法人の東京事務所へ入所し、上場企業や外資系企業に対する監査を含む様々な業務に従事しながら、2016年~2020年には、海外GT(グラントソントン)の米国シカゴオフィスに駐在していました。

現在の業務については上記のとおりで、BRS(Business Risk Service)グループの海外内部監査・内部統制チームのリーダーとして、日々アドバイザリー業務を行っています。
海外内部監査・内部統制チームの主な業務内容は、海外子会社に対する内部監査の企画・実施の支援、国内上場クライアントの海外子会社のJ-SOXの構築・評価の支援、あるいは、外資系企業のSOXを始めとした内部統制に関係する業務の支援、などです。

さて、このブログでは、
15年以上前、つまり私が皆さんのように受験生だった頃を振り返って、「当時どんなことを考えていたっけ?」というところから、シカゴでの駐在に至るまでの軌跡を簡単に紹介していきます。

皆さんが今後のキャリアプランを考えるきっかけや参考になるようなお話ができたら良いなと思います!


15年前は・・・

さっそくですが、
15年ほど前、2005年に私は東京事務所へ入所したのですが、実は大学生の時に、

「国際的に活躍できる会計士になりたい!」

という、漠然とした思いを抱いていました。
そのため、太陽の面接を受けた時から「国際業務に興味がある」ということを伝えていたこともあって、入所当時から外資系企業の監査チームにアサインされることが多く、英語や海外のメンバーファームとのやり取りなどに触れる機会を多くもらえました。

現在、太陽にはインドネシア・フィリピンなどアジア各国のGTから派遣された駐在員が数名いますが、当時はGTアメリカから1年に1~2名程度が太陽に来ていました。
そういったアメリカの方々と積極的に交流することで自身の英語力の向上を図っていたのですが、今思えば、同時に国際感覚の向上にもつながっていたかもしれません。

ある時、とある派遣員の方がアメリカへ本帰国する前に「実は、ニューヨークで監査のシニアを募集しているらしい」という情報を教えてくれました。
30歳になるまでに「海外、特にアメリカで働いてみたい」という思いを抱いていた私は、業務で関わり合いのあるパートナーの方々の承諾を得て、この募集に申し込み、面談などの手続を経て、無事にニューヨークで働くことが決まりました。

その後、1年半のニューヨークでの監査経験を経て、日本に帰国したワケですが、
帰国後に日本で仕事をしている中で、

「数年かけてもう一度アメリカで働いてみたい」

という意欲がムクムクと首をもたげ、
なんと再度2016年に、今度は監査マネジャーとして、シカゴに駐在することが決まりました。

このように、2回も海外で働く経験をするということは、太陽でもかなり珍しいようです(笑)
なので、ここからは1回目・2回目のアメリカでの業務経験を比較する形式で、駐在体験を紹介していきたいなと思います。

アメリカ生活で経験したこと

最初の1回目のアメリカでのお仕事は、監査のシニアスタッフとして、現地の監査にどっぷりと従事する、というものでした。
一方で2回目のアメリカでのお仕事は、駐在員として年間の半分の時間を監査業務に、残り半分の時間を営業活動・マーケティング活動などに、というものでした。

このように、
1回目と2回目では、業務内容に大きな差がありましたが、1回目のアメリカ生活で経験したことが、2回目のアメリカ生活を支えるものとなりました。

1回目のアメリカ生活 ―立ちはだかる大きな3つの壁―

1回目にアメリカで働くことになった際、
海外で長期間にわたり生活しながら仕事をするのは、初めての経験でした。

初めてのアメリカ生活では、

  1. 言語の壁
  2. 文化の壁
  3. ビジネス環境の壁


この大きな3つの壁に直面しました。

アメリカで暮らしてみて真っ先に感じたのは、やはり言語の壁でした。
前述の通り、私は少なくとも他の方々よりは海外から太陽へ派遣して来た駐在員と接しているという自負と、仕事でも多くの英語が関連するような仕事をこなしていたので、きっと何とかなる!という自信を持っていました。

しかし・・・。
本場の英語は、とても強敵でした(笑)

ある程度は仕事で使いこなせているなと実感するまでには、正直に言うと1年近くの期間を要しました。
一方で、日常生活をするだけであれば、2~3か月程度で何とかなっていたように思います。

そして、
言語の壁に取り掛かっている間で私の前にさらに立ちはだかったのは、文化の壁でした。

日本とアメリカでは物事の考え方や生活習慣が異なっているため、今まで日本では常識と考えていたことが通用するとは限らないという、言われてみれば至極当然のことなのですが、実際に体験してみると、戸惑うことも多く、慣れるまでに時間が必要でした。

例えばですが、
会計時のチップの支払いで、「どういったサービスに対してどれくらいチップを払うのか?」(チップを払わなくていい場合もある・・・?)など、なかなか苦労しました。
また、“レディーファースト” という慣習も、実はケースバイケースだったりするため、「あれ、間違えちゃったかな・・・」という苦い経験もしながら、少しずつ学んでいきました。

ビジネス環境の壁については、
文化の壁に似た部分があるのですが、日本とアメリカの仕事の進め方・考え方に関する違いでした。

「日本ではこういうやり方でうまくいっていた」というものが、通用しない。
これはなかなかのストレスで、「アメリカではこういうやり方をするとうまくいく」という方法を確立するのには、少し時間がかかりました。

例えばですが、
当時の上司から「資料の督促は毎日メールで!」と最初に言われたとき、「そんなにしつこく連絡して、怒られないのか・・・?」と、心理的な抵抗が強かったのですが、期日通りに資料を提出してもらえるケースのほうが少ないことが分かってくるにつれて、アメリカ式のやり方の意味が理解できました。

<ニューヨークの巨大クリスマスツリー>

さて、
初めての海外生活ということで、プライベートでも新鮮なものが多く、貴重な体験となりました。

当時のニューヨーク事務所には、日本人が私以外には一人しかおらず、前述のとおり様々な人種の方々がいて、仲良くなれた同僚たちの国籍もバラバラでした。
イギリスから、イスラエルから、フランスから、インドから、中国から、ウクライナから、イタリアから、南アフリカから・・・と、文字通り世界各地から来た人々と友達になることができ、一緒にボストン(ニューヨークから車で4時間程度)に小旅行をしたのは、今でもいい思い出です。

<同僚とのボストン小旅行>

左から、南アフリカ・ウクライナ・フランス出身の同僚です。
ボストン小旅行では、同僚の選定で “ボート泊” でした。中は意外と広く、ラクラク泊まれました。

<ボート泊>

また、同僚や友人に誘われて、昔から興味のあったコーラスやトライアスロンに挑戦することもできました。
きっかけは「せっかくアメリカに来たから新しいことをやってみたい!」という気持ちからでしたので、アメリカに来ていなかったら挑戦していなかったかもしれないと、今でも思います。

2回目のアメリカ生活 ―3つの壁を乗り越えた先で得たモノ―

2回目のアメリカ生活では、
“ザ・駐在員” としての仕事ということで、マネジャーとしての立場として、年間の半分の時間は日系企業の監査業務でした。残り半分の時間は、今まで経験をしたことが少なかった営業活動・マーケティング活動などを行ってきました。

日系企業向けの監査業務では、
1回目のアメリカ生活で学んだアメリカ式の仕事のやり方と日本的な考え方をうまく融合させ、現地の日系企業で仕事をする日本人マネジメントの気持ちを汲みながら監査の仕事を進めていくことで、クライアントには非常にありがたがられ、「他の同僚には、なかなかできないことではないか?」という思いが、とても自信につながりました。

日系企業では、アメリカでの仕事経験が豊富な方でも、日本で実際に働いたことがある方は、非常に少ないです。
そのため、私が日本で会計士として重ねてきた経験や蓄積した知識に基づいて、「日本の会社では、こういう実務が行われている」「日本で上場している親会社の立場では、こういうことを求めているはず」、といったお話をすると、「改めて日本から来ている指示の背景がよく分かりました」と言っていただけることが多かったです。

営業活動・マーケティング活動では、
潜在クライアントからの業務依頼に対し、見積書を作成してプレゼンテーションを行ったり、既存クライアントに対し、追加的に提供できそうなサービスの提案を行ったり、新年会やネットワーキングイベントで交流を行ったり・・・と、様々でした。
なかなか太陽(国内)で監査業務を行っているだけでは経験することがないものだったために、新鮮で緊張感がありましたが、今まで経験したことがない業務領域に、柔軟な頭で様々な観点から検討を行い、臨機応変に対応することで一定の成果と評価を残すことができたため、これがアメリカ駐在中における大きな収穫の一つとなりました。

1年目より2年目、2年目よりも3年目と、営業・マーケティングの経験を積んでいくにつれ、様々な業務上の提案ができるようになったり、コツをつかんでいくこともでき、大きなやりがいを見出すことができました。
結果として、上司からも「野本さんは対人スキルが素晴らしい!」という良い評価をもらうことができたので、今まで意識していなかった新しい自分の発見にもつながりました。特に最後の4年目には、大口の案件を2件も獲得することができました。
一方のプライベートについては、1回目のアメリカが単身で、2回目のアメリカは結婚してすぐのタイミングだったため、赴任して9ヶ月ほどは業務に集中していましたが、その後は出国前に海外情勢などで中止にせざるを得なかった新婚旅行として、1週間ほどフロリダとカリブ海のクルーズに出かけることができました。
本場のディズニーリゾートを満喫し、綺麗な海を見ながら船旅ができたのは、一生の思い出になりました。

<カリブ海・バハマのビーチ>

2年目の繁忙期明けには、メキシコのセノーテや古代の遺跡巡りに4泊ほどで繰り出すことができました。いずれも日本からでは時間的にも距離的にもなかなか足を伸ばしにくいところなので、アメリカに住んでいるうちに行くことができたのは、幸いでした。

<メキシコのセノーテ(泉)>

<メキシコの古代の遺跡>

本当は、その後もアメリカ内や周辺諸国を回って見たいと思っていたのですが、
子供が生まれ、仕事と育児の両立に四苦八苦しているうちに、2020年3月にはコロナが本格化してしまい、アメリカから帰る前に行っておきたい場所リストは一旦、永久保存版となってしまいました・・・。

今後、コロナの状況がどのように終息していくのかはまだまだ不透明ですが、
いつかはまた、家族旅行のための休みをとって、アメリカ内や周辺諸国を周遊できたらいいなと思っています。


さいごに

最後になりましたが、
特に今後「国際的な仕事・英語を使うような仕事をしてみたい!/海外で仕事をしてみたい!」という方に向けて、メッセージを送りたいと思います。

今後プライベートで、あるいは仕事で英語を使えるようになってみたい方は、ぜひ『目標設定をしながらコツコツ取り組むこと』をオススメしたいと思います。

まず、具体的にどういうことができるようになりたいのか(例えば、英語の映画が原語で見られるようになりたい、日本人以外の友達を作りたい、など)をイメージする。
そうしたら、読み・書き・ヒアリング・スピーキングの中で、どの部分を特に高めるべきなのか?という点を意識しながら、勉強を進めていく。

こうすることで、
よりモチベーションを維持して英語力を高められるのではないかと思います。

また、意外に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
海外で仕事をする場合、言語スキル以外に大事なモノとして、日本基準の会計・監査スキルをしっかり確立する、という点があるように思います。

海外では、日本基準の会計・監査の知識が意外によく知られてはいないため、日本における会計・監査の基準やビジネス実務をきちんと理解していて説明できることに、とても大きな価値がある、ということです。

ですので、
英語の勉強に励むことも大事なのですが、「日常の業務から自然と身に付いてくる日本での実務経験も、将来的には高い価値がある」ということも、ぜひ覚えておいていただきたいと思います。

さて、少々長文になってしまいましたが、
ここまで読んでいただいた皆さん、どうもありがとうございます。少しでも参考になれば幸いです!

太陽監査法人やGTAに興味を持っていただいた方、国際的に活躍できる会計士になりたいと考えている方と、今後一緒にお仕事ができる機会を、とても楽しみにしています。