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2022.09.13

社会福祉法人の監査の意義を知る

皆さん、こんにちは!
太陽監査法人 東京事務所 スーパーバイザー
小俣 志穂 です。

私は現在、社会福祉法人3法人と投資法人の主査業務をメインに、上場企業の監査も担当しています。
業務割合としては、下記のとおりとなっています。

今回は、私のメイン業務である『社会福祉法人の監査』について、お話しします。
このブログを通して、社会福祉法人の監査に興味を持ってもらえると嬉しいです!


社会福祉法人との出会い


私が社会福祉法人と運命的に出会ったのは、
4度目の育児休業中でした。

仕事復帰を控え、仕事と育児を両立すべく、イメージトレーニングを重ねていました。
まずは朝・・・4人の子供たちの朝食の準備と片付け、自分の身支度、保育園へ送り届けてから監査現場に出社。そして帰宅後・・・保育園のお迎え、夕飯の支度と片付け、それからお風呂に洗濯に寝かしつけ。あっ、宿題と翌日の持ち物の確認も忘れてはダメ・・・というように。

でも、どう頑張ってみても、長女のスイミングスクールの迎えに行く時間が取れませんでした。

イメージトレーニングに行き詰って息抜きに散歩していた時、
ふと通りかかった建物に『社会福祉法人社会福祉協議会ファミリーサポートセンター』と書かれているのを目にしました。

「これだ!」と直感して話を聞いてみると、「保育園・習い事の送迎や、帰宅が遅くなった時などの預かりをお願いできる」とのこと。さっそく、スイミングスクールの迎えや、歯科への通院の付き添いなどをお願いしました。

こうして無事に仕事復帰後のイメージトレーニングを終了し、仕事復帰の準備が整いました。

これが、私と社会福祉法人との運命的な出会いです!

『会計監査』というと、金融商品取引法の監査(いわゆる上場企業の監査)や会社法の監査をイメージする方が多いのではないでしょうか。

ですが、社会には思っているよりも、はるかに多くの仕事があります。

私は子育てを通じて「世の中は様々な仕事で成り立っているのだ」と、強く実感しました。
そして4度目の仕事復帰後、「せっかく出会った社会福祉法人に関わりたい!」と考え、社会福祉法人の監査の希望を申し出ました。
嬉しいことに、当時は社会福祉法人のクライアントが太陽に5法人(内、社会福祉協議会が3法人)あることを知り、さらに運命を実感。はれて社会福祉法人の監査チームの一員となりました。

なお現在は、太陽も当時より大きく成長して、社会福祉法人のクライアントは12法人と、倍以上になっています。

社会福祉法人の監査とは?


簡単にですが、
社会福祉法人へ会計監査人による監査制度が導入された背景をご説明します。

ご存じのように、日本の高齢化は年々深刻化し、また、人々の生活環境・暮らし方も様々です。
そんな中、社会福祉のニーズが多様化・複雑化し、社会福祉法人が社会福祉の重要な担い手として、国民の期待に応えられる存在であり続けるために、社会福祉法人制度改革が行われました。

この社会福祉法人制度改革の一環として、会計監査人による監査が法定化され、2017年度から開始されました。
現在、収益30億円を超える法人又は負債60億円を超える法人が対象です。時期は未定ですが、今後は収益20億円を超える法人又は負債40億円を超える法人、さらに収益10億円を超える法人又は負債が20億円を超える法人も対象となる予定です。
このように、私たち公認会計士の活躍の場がどんどん増えており、日々やりがいと責任を感じています。

ところで、
『社会福祉法人』というと、皆さんは何を思い浮かべますか?

老人ホームや保育所などをイメージする方が、多いのではないでしょうか。
これらは、社会福祉法人のうち『福祉施設』と呼ばれます。また、『更生施設』『障害者支援施設』なども社会福祉法人です。さらに、『病院』の開設主体が社会福祉法人であることも、実は多かったりします。

そしてもうひとつ、社会福祉法人には、先ほど出てきた『社会福祉協議会』があります。社会福祉協議会はご存じない方も多いのではないでしょうか。

社会福祉協議会の業務は多岐に渡ります。
たとえば、時代の変化に応じた福祉サービスの充実や開発、福祉人材の確保と育成、子育て支援サービスや介護サービスの提供・・・などなど。
また、『生活福祉資金貸付制度』に係る業務も行っています。新型コロナウイルス感染症の影響で同制度が拡充されたことから、その名を耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません(ただし現在、『生活福祉資金貸付制度』に係る会計は、会計監査人による監査の対象外です)。

太陽では、
『福祉施設』などはもちろんのこと、『社会福祉協議会』に対しても監査業務を行っています。

私は社会福祉業議会の他に、福祉施設の監査にも関わったことがあります。それぞれ、同じ社会福祉法人でありながらも業務は全く異なるので、社会福祉法人の監査は奥深く、とても興味深い分野です。

社会福祉法人と一般事業会社の違い


次に、社会福祉法人と一般事業会社との違いについて、ご紹介します。

社会福祉法人の組織

  • 法人運営に係る重要事項の決定を行う『評議員会』
  • 業務執行の決定、業務執行を行う理事・理事長の職務の監督を担う『理事会』
  • 理事の職務執行を監査し、監査報告書を作成する『監事』

大きくこの3つから構成されており、いずれも兼務はできません。
名称は違いますが、一般事業会社と似ていますね。

そして、経営組織のガバナンスの強化、及び事業運営の透明性の向上を行い、地域における公益的な取組を実施する責務を中長期的に果たすため、2017年度からは一定の規模を超える社会福祉法人について、『会計監査人』監査制度が導入されることになったワケです。

社会福祉法人は、一般事業会社と違う組織的な特徴として「他の社会福祉法人と協力することがある」という点があります。

法人内だけでは解決できない問題が発生した場合、他の社会福祉法人に助言を求め、情報提供や解決案の提案を受けます。法人ごとに地域性の違いはあっても、『社会福祉の重要な担い手』として共通の使命を全うするために法人間で協力をする…。
一般事業会社では、あまり見られない関係性ですね。

社会福祉法人の会計


社会福祉法人会計は、一般事業会社とは異なる点が多く、担当した当初は戸惑いしました。

例えば、『1取引2仕訳』と言って、1つの取引について、資金収支仕訳(CF)と事業活動仕訳(BS・PL)の2種類の仕訳を切ります。
また、資金の範囲が一般事業会社よりも広範囲で、概ねBS流動項目から、棚卸資産・引当金・1年内振替科目を差し引いた金額が、社会福祉法人の資金の範囲となっています。

他にも様々な違いがありますが、当初はこれらのような一般事業会社との違いに混乱していました。
担当が決まった後、問題集3冊を解いて受験生のように勉強したことを、今でも覚えています・・・。
ですが、『会計慣行』として厚生労働省からの各種通知も多く、とてもやりがいのある分野です!


さいごに

業種を限定しないで監査をしていくことの重要性


これまで、上場企業の監査・IPO業務・コンサルティング・・・と、様々な業務を経験してきました。
現在も社会福祉法人の監査に限定せずに、投資法人、そして上場企業の監査にも携わっています。

こうして特定の業種に偏ることなく、他業種の監査に関わり続けることで、社会福祉法人の監査では適用されない基準等の知識を身に付け、アウトプットする貴重な機会を持つことができます。

『部門レス』の太陽は風通しがとてもいいので、他業種チームでの発言機会もあり、やりがいを実感します。
先日も、上場企業の監査について、マネジャーや主査と意見交換したところです。自分のアイデアや意見が認められて実務に生かされていく瞬間は、スタッフ時代から変わらず、嬉しいものです。

さらに、他業種の監査チームに加わることで、学ぶことも多くあります。見習うべき!と思ったことは、まず真似をして、私のチームに馴染むものは積極的に取り入れています。

特にこの2年余りは、新型コロナウイルス感染症の影響で働き方が大きく変化しました。リモートワークでのチーム運営は、主査の力量が問われる分野です!
始業時・終業時のミーティングの実施による業務の効率化や、チームメンバーの体調や気持ちの変化の観察など、主査としてどう立ち回るべきか、工夫を続けています。

また、公認会計士に必要とされる大切な能力のひとつに、コミュニケーション能力があります。
監査を滞りなく遂行するには、クライアントとの信頼関係が必須です。業種が異なれば組織内のマインド・雰囲気も異なるので、信頼関係の維持・構築には、コミュニケーションの図り方に工夫が必要です。
そのため、他業種の監査チームで活躍する主査のやり方から学ばせてもらうことも、たくさんあります。


ここ数年、社会福祉法人の監査を希望する方が増えてきて嬉しく思います。2022年3月期の決算監査でも、社会福祉法人を希望するスタッフがチームに加わりました。
『部門レス』の太陽の良さを生かし、2足・3足のわらじを履くことで、会計士としての成長が促進され、将来の選択肢を増やすことができるのではないでしょうか?私も、非営利法人の監査スキルの幅を広げるべく、新たな領域に希望を出してみようかな・・・と考えているところです。

太陽では、そのような「業種の壁に捉われない」フレキシブルな働き方が実現できる環境が、十分に整っています。ぜひ皆さんも、太陽の一員になりませんか?